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そもそも,なぜ鳥人間コンテスト滑空機部門に出場する飛行機に, フライトロガーを始めとする電気的装備があってほしいのか.

ここで改めて,振り返ってみる.


設計的観点から

「鳥人間コンテストは年1回の実験場」


設計者は,膨大な数のパラメータの設定・解析を繰り返して翼の形状や桁の径を決定する.

目指すのは, 「できるだけ遠くへ飛ぶ飛行機にすること」 である.

しかしながら,設計者によってこの目標への取り組み方は違う.

例を挙げると,鳥科26代の設計方針は, 「重く,速く,高剛性な滑空機」 である.

この方針が正しいかは,鳥人間コンテスト本番までわからない.

また設計段階で,仮定するパラメータも少なくないが,その仮定が正しいかもまた同様である.


鳥人間コンテスト本番を, 「年1回しかできない貴重な実験」 として捉えると,その実験データはなんとしても取得したい.

機体の挙動に関しては,映像の解析などを駆使して再現することもできそうだが,目に見えない気流を捉えることはできない.

飛行機の周りを流れる気流がどんなものだったかを再現することこそ,設計の答え合わせである.

以上が,設計的観点から捉えたエアデータを取得できるフライトロガーの重要性である.


パイロット的観点から

「パイロットの操縦を支援する」


パイロットの操縦が機体の姿勢に反映されるまでには,ある程度の時間がかかる.

滑空機の飛行時間は1分にも満たないことがほとんどで,一瞬の判断が命取りである.

パイロットの反応が遅いと,姿勢の回復ができないことも多々ある.

これを「練習不足」と片付けるのは,あまりにもパイロットに無慈悲すぎる.


機速や姿勢のデータを取得できるロガーがあれば,飛行中に感知しにくい微小な速度や姿勢の変化を, パイロットに音などを使って伝達することが可能になる.

パイロットにとっては,操縦の根拠となる,感覚的ではなく定量的な基準が提供されることとなる.

パイロットを支援するという観点からも,電気的装備を搭載する意味が見いだせる.