こんにちは。私は東京理科大学 鳥人間サークル「TORICA」電装班に所属しています。本記事では、私たちの進める「機体搭載用電子基板の小型化プロジェクト」の一環として制作した、RP2040搭載のSMD基板について詳しく紹介します。
また、今回の製作では、スポンサーとしてご支援いただいているJLCPCB様のサービスを利用し、非常に高品質な基板とステンシルを圧倒的な低価格で入手することができました。この記事では、設計や実装の苦労話から、発注プロセス、完成品の出来栄えまで、学生エンジニア目線で包み隠さずレポートしていきます。
鳥人間コンテストの機体は、人力によって空を飛ぶという特性上、徹底した軽量化とコンパクトな設計,無駄の削減が求められます。特に電装系統は、重量だけでなく機体内部の限られたスペースに収める必要があり、これまで使用していた既製品の開発ボードでは目標とするところまで絞り切れていませんでした.
そこで私たち26代電装班では、「自作で,より小型・軽量・高集積な基板を作る」という新たな取り組みを始めました。その第一歩が、今回のRP2040を用いた表面実装基板の製作です。
採用したRP2040は、Raspberry Pi Picoに使用されているデュアルコアマイコンで、コストパフォーマンスにも優れており、今後の機体制御に最適な選択肢と判断しました。実際,これまでの機体にはこのRP2040を搭載した既製品のRaspberry Pi Picoを使用しており,機能面・スペック面で困ることはほとんどありませんでした.このプロジェクトの目的は単なる基板製作にとどまらず、
といった、今後の開発体制全体の強化にもつながっています。

今回の基板は、できるだけ無駄を省き、機体にそのまま搭載可能なサイズ・構成を意識して設計しました。具体的な特徴は以下の通りです。
RP2040の最小限の周辺回路構成
クロック、USB、SPIフラッシュ、リセット回路など必要最小限の構成にしつつ、拡張性を保つピン配置にしました。

部品サイズは0603を中心に構成
チップ抵抗・チップコンデンサには0603・1005・1608サイズを多用しました。実装密度が上がることに伴って実装難易度も上がりますが、基板面積の削減には非常に効果的です。

2層基板で裏面には部品を配置しない
今回はリフロー実装に対応するため、部品はすべて表面側に集約し、裏面には配線とGNDプレーンのみを設けました。
ステンシル印刷に対応したランド設計
はんだペーストを正確に印刷できるよう、パッドサイズやソルダーマスク開口なども最適化しました。
また、初心者向けとは言えない表面実装基板設計であるため、DRC(Design Rule Check)の設定や、配線幅・ビアの設計にも細心の注意を払いました。特に、GNDプレーンの取り回しやデカップリングコンデンサの配置など,電源ノイズを抑える工夫も忘れずに行うようにしました.
今回の基板製作にあたっては、JLCPCB様からご提供いただいたスポンサー枠を活用しました。JLCPCBは、プロのエンジニアから学生エンジニアまで幅広く利用されている、中国発の高品質・低価格な基板製造サービスです。

今回の基板製作では、
という構成にも関わらず、JLCPCB様のご厚意により、送料・手数料込みでわずか300円という驚きの価格で実現しました。通常であれば、同等の内容で国内業者に発注すると2万円前後かかることもあって学生プロジェクトでは試作を何度もできず,なかなか手が出せません。
製品が到着してまず驚いたのは、パッドやシルク印刷の美しさと、エッジ加工の丁寧さです。0603サイズの部品にもしっかりと対応できる、微細で均一なステンシル開口も素晴らしく、はんだペーストの塗布が非常にスムーズに行えました。
今回の基板は、発注からたった9日で手元に到着。基板設計から実装・評価までのサイクルを短縮できるのは、ものづくりにおいて大きな利点です。特に試作フェーズでは、この速さが開発の成功を左右する重要な要素となります。
ステンシルを使ってはんだペーストを印刷し、ピンセットで各部品を配置。その後ホットプレートでリフローを行うという工程で、初めてのSMD実装に挑戦しました。
心配していた0603部品の位置ズレやはんだブリッジは、JLCPCB製の高精度な基板・ステンシルのおかげでほとんど発生せず、一度の加熱でほぼ全ての部品が正確に実装されました。
電源ラインの電圧も安定しており、クロック発振やUSB通信も問題なく動作を確認。プロの製品に近い完成度に到達したことに、大きな達成感を感じています。
今回の試作はあくまで第一段階。今後は以下のような改善を進めていく予定です:
特に、鳥人間コンテストの本番機に実際に搭載するためには、さらなる信頼性・安全性の確保が不可欠です。加えて、他の班員も実装できるような実装マニュアルの整備や、基板設計の引き継ぎ資料の作成も重要な課題となります。
今回のプロジェクトを通じて、JLCPCBのサービスの素晴らしさを肌で実感しました。
これらの要素は、学生がものづくりを進めるうえでの大きな追い風になります。もしあなたが基板を外注してみたいと考えているなら、JLCPCBは間違いなく最初の一歩に最適な選択肢です。
基板製作というプロセスを通じて、電気・回路の知識だけでなく、ものづくり全体の流れを実体験することができました。特に、設計から発注、実装、評価までを自分の手で行える喜びは、なにものにも代えがたい経験です。
今後もこの経験を活かし、機体を支える信頼性の高い電子システムを作り続けていきたいと思います。そしてこの取り組みが、後輩たちの技術的な土台としても役立っていけば嬉しいです。
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